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スピッツ「チェリー」は初心者向けの曲ではない!?【ギター弾き語り中級者向けです】

スピッツ チェリー 初心者向けではない

ギタリストのゆき かつや(@manic_lab)です。

ギター歴32年目。プロデビュー20年目。音楽を全力で愛して生きてます。レッスンでは現在約60名の生徒さんを指導中→詳しくはプロフへ

 

スピッツの「チェリー」って弾いた事ありますか?

アコギ弾き語りで「初心者向けの曲5選」とかで、スピッツ「チェリー」は必ず紹介されていますよね。

また、初心者の方のレッスンで「弾きたい曲は何かありますか?」と聞くとこの曲を答える方多いです。

 

。。。う〜ん

不思議なんですよね。

 

スピッツ「チェリー」

全然初心者向けの曲ではないですよ

初心者向け、なんてこの曲を紹介されて、それを鵜呑みにしてしまう初心者の方が多いので、ギター講師的にはホントに困ります(笑)。

 

先日このようなツイートをしました。

スピッツ「チェリー」ってよく初心者向けとか言われるけど、テンポ97の16ビートでグルーヴィにしっかりハネる、ってメッチャムズイといつも思います

今回なぜこの記事を書こうかと思ったかというと、もちろん長年「チェリーは初心者には難しすぎる曲だ」と思っていたからってのも当然あるんですが

この上記のツイートが、スピッツのディレクターをしている方にリツイートされて結構反響を呼んだからです。

つまり、お墨付き、という事ですね(笑)。

 

という事で

・スピッツ「チェリー」が初心者向けの曲ではない2つの理由

 

・ギター初心者に本当にオススメの曲

上記を解説していきます。

 

※この記事は3分ほどで読み終わります

スピッツ「チェリー」が初心者向けではない理由①〜リズムが16ビートシャッフルだから

楽曲のリズムの重要性

まず、初心者で独学で練習している方に声を大にして言いたいことは

リズムが1番大事

という事です。

 

レッスンに来る方で「独学である程度練習してきた」という方が、一番出来てない事

それがリズムなんですね。

難しいコードを覚えている

難しいフレーズを速弾きできる

そんなことはどーでもいいのです。

リズムが悪ければ全て台無しです

すごく豪華な立派な家をどろっどろのぬかるみの土台の上に立てるようなものです。

一番大切なのに、一番練習しづらい、習得しづらいもの

それがリズム

なんですね。

 

しつこくてすいません。

ですが、もう今回の記事の主旨はこれが全てです。

 

初心者の方でスピッツ「チェリー」を弾きました、と動画を上げている方

99%リズムが合ってません(弾けてません)。

 

スピッツ「チェリー」は16ビートシャッフルである

スピッツ「チェリー」をアコギでコードストロークで弾こうと思ったら

16ビートシャッフル

で弾かなければいけません。

16ビート、という時点でもう初心者向けではありません。

しかもシャッフル!

 

シャッフルというのは「3連符の中ぬき」です。

単純にいうと「ハネるリズム」という感じです。

日本のお祭り太鼓、沖縄の三線音楽の陽気なリズム。

 

ハネない普通のリズムをイーブンと言います。

イーブンだと

タ タ タ タ 

4つの「タ」の間隔は全て同じです。

これがシャッフルになると

2つのタタが3つになります。

タカタ タカタ

ここから「カ」を抜くと

タ(ッ)タタ(ッ)タ

となり、シャッフルのリズムになります。

 

スピッツ「チェリー」はテンポ97です。

まずはテンポ97の16ビートが弾けなければいけません。

これがもうギター初心者には難しい。

初心者でギターを始めた方のレッスンの進み具合で行くと、上達の早い人でも10ヶ月は掛かります。

 

しかも、その上シャッフルです。

シャッフルになるとなぜさらに難しいのかというと

シャッフルは手を振るスピードが単純に1.5倍になるから

です。

テンポ97の16ビートシャッフルとなると、その1.5倍のテンポ。。。

テンポ145で16ビートストロークをするのと同じ手の振りのスピードが必要

なんですね。

これはかなりハードルが高いです。

手首の力をしっかり抜いて、軽く軽快にストロークできなければいけません。

こちらもオススメ

軽く速い手首の振り、ストローク、カッティングについては下記の動画も参考になると思います。

という事で、この

テンポ97の16ビートシャッフル

という点だけ見ても、全然まったく初心者向けではありません。

多分、アマチュアでしっかり出来ている方は1%もいないでしょう。

僕からしても、しっかりグルーヴしながらこのコードストロークを5分継続する、のはかなりの至難の技です。

 

ちなみに、米津玄師「Lemon」も16ビートシャッフルの曲ですが、こちらはテンポ87。

イーブン換算でテンポ130なので、簡単ではないですがまだ弾きやすいかな、という感じです。

別にオリジナル通りに弾けなくても良い!?

多分、下のような意見もあると思います。

別にきっちりテンポ97で弾く必要もないし

リズムもシャッフルじゃなくてもいいんじゃないの?

確かに、テンポは多少は落としてもいい(というか90くらいで弾くのが良いかも)と思います。

リズムもシャッフルじゃなくてイーブンで弾いても、、、

 

まあ、その辺りは

オリジナル楽曲に対するリスペクトと愛がどれだけあるか

ということに尽きますね。

完全に別アレンジで弾く、という解釈で8ビートにしたりボサノバ、ジャズ風にしたりとか。

それならアリと思いますが。

16ビートで同じくらいのテンポで弾くのにリズムがイーブンというのは、僕個人的にはナシですね。

 

このスピッツ「チェリー」という曲は

16ビートシャッフルの曲

なのです。

ならば、それをしっかり再現できるように練習する方が良いでしょう。

そして、無理して初心者のうちにこの曲に挑戦する必要もないのです。

スピッツ「チェリー」が初心者向けではない理由②〜2拍ごとのコードチェンジが中心だから

Fを絡めた2拍ごとのコードチェンジは初心者には難しい

この2つ目の理由は、ぶっちゃけこじつけっぽくはなりますが。

キーCでのFを絡めたコードチェンジが2拍ずつ連続するコード進行

これがもはや、初心者にはなかなか難しいです。

きっちり綺麗にFも鳴ってコードチェンジができるようになるにはアコギだと最低半年は掛かります。

ギター初心者に”本当に”オススメの曲とは?

というわけで、上記2つの理由により、スピッツ「チェリー」は初心者にオススメの曲ではありません。

同じくスピッツの曲で言うなら、、、

まずは「空も飛べるはず」を弾きましょう!

これは、日本全国のギター教室で「初心者が最初にチャレンジするのに最も最適な曲」として取り上げられている曲です(独自調べ)。

なぜ「空も飛べるはず」が最適なのかは、57年間弾かれ続けているアコギのストロークとは?【8ビート】の記事で詳しく解説していますので是非ご覧ください。

アコギ 8ビートストローク57年間弾かれ続けているアコギのストロークとは?【8ビート】

16ビートなら、あいみょん「マリーゴールド」も初心者にオススメ

16ビートストロークの練習曲としては、あいみょん「マリーゴールド」もオススメです。

キーDなので、カポを2Fに付ければキーCで弾くことができます

コード進行もほぼ1小節ずつのコードチェンジなので比較的簡単だし、練習曲としては最適です。

難しい点は

テンポ106の16ビートストローク

という点ですね。

軽快なJ-POPの16ビートストロークの標準的なテンポですが、手首を柔らかく使わないとサラサラした感じが出にくいです。

ピックの握り方なども関係してきます。

この辺り、僕のYoutubeチャンネルで詳しく解説してますので是非ご覧いただければと思います。

★キレッキレのストロークを目指せ!【ストローク&カッティングテクニック本質編】

まとめ

  • スピッツ「チェリー」は初心者向けの曲ではありません
  • 「空も飛べるはず」をまずは弾いてみましょう
  • 「マリーゴールド」が原曲と同じテンポで16ビートストロークで楽に弾けるようになったら「チェリー」に挑戦しましょう!