アコギ弾き語りで8ビートストロークをマスターしたい人
「8ビートストロークのやり方がわからない…。アコギ始めたばかりだけど、早く曲として形にしたい!よく聞く”あのアコギの感じ”を教えてください」
こういう疑問に答えます。
本記事の内容
- 57年間弾かれ続けているアコギのストロークとは?【8ビート】
- スピッツ「空も飛べるはず」を弾いてみよう
- なぜ57年なの?【おまけのポップス歴史話】
この記事を書いている僕は、ギター(音楽)歴30年ほど。
現在60名の生徒さんにレッスンしており、生徒さんの約70%の方が「初心者からアコギ」を始めます。
みなさん、まず最初にこの8ビートストロークを覚えます。
アコギの右手のジャカジャカって何か決まりがあるんですか?
あります。規則正しく手を振ることでリズムを取っています。
一番最初に覚える右手のストロークはこの8ビートストロークです。
そして、この8ビートストロークを覚えると、世の中に出ているポップス曲の6割は弾けます。
では実際に見ていきましょう♪
※この記事は3分ほどで読み終わります
もくじ
57年間弾かれ続けているアコギのストロークとは?【8ビート】
まず最初に超大事なことを言いますが
アコギの右手のストロークはドラムのリズムを表現します
なので、世の中にあるドラムのリズムの種類の数だけ、右手のストロークの種類がある
ということです。
ポップス、ロック、ジャズ、民族音楽、エレクトロニカなどなど…世界には様々な音楽の種類、ジャンルがありますね。
これらの音楽のジャンルは何によって分類されているのか、というと、一番大きな枠は
リズムのビート
です。
そして、リズムのビートの種類も色々ありますが、大きく分けると
- 8ビート
- 16ビート
- 4ビート
- 2ビート
- ワルツ(3拍子系)
この5種類になります。
そして、全世界的に見て「歌+音楽」というポピュラーミュージックにおいては
8ビートの曲が60%を占める
ということが言えます(歴史的な背景は後述します)。
つまり、適当にポップス12曲を選んだら、8曲は8ビートの曲があるということですね。
なので、まず一番最初に覚えるべきはこの8ビートストロークということです。
この8ビートストロークを覚えれば、J-POPでも半分以上の曲は弾けちゃいます。
アコギの8ビートストロークの弾き方
ではまずは、この実際のレッスンテキストを見てください。
▼1小節同じコードの場合はP1で弾きます
▼1小節にコードが2つ、3拍目でコードが変わる場合はP2で弾きます
8ビートストロークの仕組みと練習方法
では、このストロークはどうやってできたのか?
仕組みを見ていきましょう♪
8ビートストロークでは右手は
ダウンアップで往復4回、全部で8回ストロークする
これが基本になります。
つまり下図のようになります。
ジャカ ジャカ ジャカ ジャカ で往復4回、8回弦にヒットですね。
8ビートのドラムのリズムと対応させるとこうなります。
ドラムの基本リズムは、ハイハット(HH)とキックとスネアの3点でできています。
8ビートの場合
・ハイハットが基本8回
・スネア(タン)は2拍目、4拍目のアタマ
・キック(ドン)は1拍目アタマは必ず入る、それ以外は何パターンか他にも入る場所がある
という感じで基本的にはパターンが決まっています。
音楽を聴くときに、このドラムリズムの3点を意識して聴くと、アコギのストロークも上手くなります。
上の図で、メトロノームが「ピッ」と鳴るタイミングを
拍の頭(アタマ)
鳴らないタイミングを
拍の裏(ウラ)
と言います。
それぞれのタイミングを呼ぶときに「1拍目の頭、3拍目のウラ」とか呼びます。
バンドやリハーサルの時も使う言葉なので覚えておきましょう。
で、ドラムのハイハットの「チチチチ チチチチ」ですが、図のように
拍頭は強く、ウラは弱く
叩きます。
アタマは強く(強拍)、ウラは弱く(弱拍)が全ての音楽の基本です。
なので、ギターのストロークも
ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ
と、ダウンアップ同じ強さで弾くのではなく
ダ カ ダ カ ダ カ ダ カ
とアップストロークは弱く弾いてください。
イメージとしては、ダウンストロークから次のダウンストロークにいくときに手が上げなければいけないですよね。
その上げるついでに軽く弦当たっちゃたら、たまたまアップストロークになった
という感じです。
▼ストローク練習 ステップ1
まずはこの
ダ カ ダ カ ダ カ ダ カ
をテンポ60〜70くらいで3分間弾いて、ダウンとアップストロークの弦の当て方、
強さのイメージを頭と右手に覚えさせてください。
▼ストローク練習 ステップ2
次に、1拍目と3拍目のウラのアップストロークを空振りにして
ダ ン ダ カ ダ ン ダ カ
というストロークを練習します。
最初のテキストのP2のパターンができましたね。
これもテンポ60〜70くらいで空振りを意識しなくても、無意識にこのパターンが延々と弾けるように練習してください。
慣れてきたらテンポ90くらいまで上げていきましょう♪
▼ストローク練習 最終ステップ
ステップ2に慣れてきたら、最終段階、いよいよ8ビート基本ストロークを弾きましょう。
ダ カ ダ カ ダ カ ダ カ
この全部弾くストロークから、1拍目ウラと3拍目アタマを空振りにします。
ダ ン ダ カ ン カ ダ カ
すると、8ビート基本パターンが出来上がりますね♪
3拍目アタマの空振り、これが最初はなかなか難しいと思います。
でも、これも永遠に無意識に手が振れるくらい練習してください。
そのうち、ダウンの空振りも自然に手が下がるようになります。
千里の道も一歩からです。
ギターを持ってなくても、空き時間さえあれば、右手を振る練習をしましょう。
学校の授業中や職場で仕事中に右手を振りすぎて怒られないようにしてくださいね。
1週間もすればこの8ビートストロークは覚えられると思います。
このように、曲が始まったら最初から最後まで
・ず〜〜〜〜〜っとテンポに合わせて同じリズムで手を振り続ける
・空振りをすることによって基本リズムを作ったり、変化させたりする
ことで、ギタリストはリズムをキープします。
いろんな動画で、同じ曲を2、3人のギタリストが同時に弾いている時の右手ストロークを見てください。
全く同じタイミングで手が上下しています。
これでリズムをキープして、リズムをお互いに合わせているのです。
スピッツ「空も飛べるはず」を弾いてみよう
なぜ、この曲を弾くのですか?
さて、8ビートストロークの手の振りにだいぶ慣れてきましたか?
8ビートストロークを弾き始めて、アコギの初心者が一番最初に練習するのにオススメの曲が
スピッツ「空も飛べるはず」
です。
この曲を最初の課題曲としてオススメする理由は以下のとおりです。
- キーがCである
- テンポも早すぎず、遅すぎず、ちょうど良い
- コードチェンジの難易度も初心者が練習するにはちょうど良い
キーがCだと、アコギで最初に覚えるべきコードは全て出てきます。
そして初心者の最初の壁、コードFも出てくるので、これも練習になりますね。
コードチェンジは、最初のA Bメロは1小節同じコード、サビで2拍ごとに変わるので、これも良い練習になりますね。
この曲をスピッツが発表したのが1994年です。
僕が最初にレッスンを始めたのも同時期でして、当時から現在に至るまで
初心者が最初に弾くJ-POPの課題曲
として、この曲を超えるものはありません。
上記の理由により、おそらく全国のギター講師、ギター教室でもステップ1の課題曲として取り上げられていると思います。
そして、この曲をマスターした後は、同じ8ビートの曲はどんどん弾けるようになります。
初心者でギターを練習し始めて、半年くらいまでの課題曲と設定して良いと思います。
どれくらいの期間で練習、上達していくのが基準なのか、というのは、こちらの記事、あなたのギター上達速度は遅いのか?早いのか?【実例あり】も参考にしてください。
あなたのギターの上達速度は遅いのか?早いのか?【実例あり】練習するときのポイント
まずはこの2点のみです。
・1小節同じコードの時は、レッスンテキストP1で弾く
・1小節にコードが2つある時(3拍目でコードチェンジ)は、レッスンテキストP2で弾く
イントロのようにP1とP2が交互に出てきたり、サビのようにP2でコードチェンジが連続するところは、しっかりパターンの切り替えを練習しましょう♪
コード譜はどこにあるの?
「空も飛べるはず コード」で検索すると色々出てきます。
僕がレッスンでも使ってて、見やすくてオススメのサイトはJ-Total Musicです。
コードの間違いが比較的少なく、初心者用簡単バージョンがある曲もあり便利です。
こういうネット検索でコード譜を探す最大のメリットは、キーの移調が簡単にできることです。
ギターでキーを上げたい時はカポを付けるだけで簡単ですが、下げたい時や、難しいキーの曲を簡単なコードで弾きたい時などは、このネット共有コード譜の移調機能は超絶便利です。
なぜ57年なの?【おまけのポップス歴史話】
1950年代にアメリカ、イギリスでロックンロールから派生した音楽がいわゆる「ポップス」と呼ばれています。
さらにさかのぼればジャズやブルースになりますが、1950年代以降にそれらの音楽に、さらにドラムのビートを強調した音楽がロックンロールです。
そのロックンロールからアメリカの50’s〜60’sのオールディズの曲がたくさん生まれました。
そして、1962年に伝説のポップスバンド「ザ・ビートルズ」がイギリスでデビューします。
ビートルズの凄さ、歴史などは僕が語るまでもないですが、簡単に一言で言うと
・ビートルズがポップスの全てを1970年までに全部やってしまった
・それ以降のポップスは全て「ビートルズがこうしていたから」という基準で作られるようになった
今では当たり前の、MVやPVを最初に作ったのもビートルズ、球場で初めてライブしたのもビートルズです。
そして、ポップスをどういう風に構築するのか、楽器構成やそれぞれの楽器の演奏アレンジも、ビートルズが1962年〜1970年の8年間の間に、ほぼ全てのパターンを作って発表してしまいました。
だから、ビートルズは偉大なのです。
だから、ビートルズを聴け、とオトナたちはいうわけですね。
かくいう僕も、ビートルズなんて、はっきり言って「後から知った」世代です。聴け聴け!というオトナに反抗して、いや絶対聞かない!と決め込んで自分の作品を作っていました笑。
僕がビートルズを「ポップスの音楽的構造作品の見本」としてちゃんと聞いたのは30歳を過ぎてからですね。僕が偉そうにいうことではないですが、よくできた音楽だと思います。
話が逸れましたが、、、
そのポップスのお手本であるビートルズがデビューシングル「Love Me Do」ですでにこの8ビートストロークをやっています。
この曲はシャッフルでカントリーテイストではありますが、以降、この8ビートストロークで弾ける曲をバンバン発表していきます。
ビートルズがポップスで8ビートの曲は、ギターではこう弾くんですよ、とやり始めて、皆それをマネして
現在に至るまで約57年間、この8ビートストロークは弾き続けられているんです。
おそるべしビートルズ。
そして、8ビートストロークってこれ以外にないんかいっ!というツッコミもしたくなりますが、、、
ちょこちょこバリエーションはあるものの、基本的にはこれしかありません。
なので、この8ビートストロークを覚えておけばOKなのです。
しかし、もう時代は令和です。
これじゃない8ビートのアコギの弾き方が発明されてもいい気もしますね。
でも「紅」のように、30年前の曲をいまだに弾くっていう時点で、実はギター文化ってもうすでに終わってて、あとはループするだけじゃないの?とも思ったり。アコギの8ビートのタンタタンタタタだって、それ以外に弾き方ないの?て思いながらも、ずっとそれで弾いてるわけでしょ。なかなか悩ましい話🤔
— ゆき@ギターレッスンテキストをWeb上につくる🎸 (@manic_lab) May 4, 2019
まとめ
- 永遠不滅の8ビートストロークをアコギ初心者はまずは覚えましょう
- このストロークを使って100曲弾いたら8ビートストロークはもう完璧です
- これをマスターしたら新しい8ビートストロークを発明しよう(僕も考えます)
ということで今回は以上となります。
色々書きましたが、8ビートストロークは基本中の基本です。
まずはこれをマスターすると、さらなるギターの世界があなたの目の前に広がってきます♪
楽しんでマスターしてくださいね♪
ギターの習得の1番の早道は、レッスンでプロの講師に習うことです。
今は、Youtubeやオンラインレッスンなどもありますが、実際に目の前でマンツーマンで受けるプライベートレッスンの方が圧倒的にコスパが良いです。
・初心者の方は、基礎を学ぶために最初の半年、1年
・中級者以降の方でも、自分が弾けるようになりたいプレイスタイルや難しいテクニック
これらをプロのギター講師に直接指導してもらうことで、効率よく最短で上達することができます。
シアミュージックスクールは全国に校舎がある大手の音楽教室ですので、講師のレベルも高く、お近くの教室に安心して通うことができます。
まずは、30分の無料体験レッスンに行って、実際のギターレッスンがどういうものか体験してみましょう♪