ギタリストのゆき(@manic_lab)です。
ギター歴31年目。プロデビュー19年目。音楽を全力で愛して生きてます。レッスンでは現在約60名の生徒さんを指導中→詳しくはプロフへ
子供にギターを習わせたいという親御さんがこの数年で爆増しています
そして、自分からギターを弾きたいという小学生の子供さん自身も増えています。Youtubeなどで気軽にギター演奏している動画が見られるので「かっこいい!自分も弾いてみたい!」と思いますよね。
ただ、親御さんからしたら「子供のギターレッスンって実際どうなの?」と心配なこともあると思います。
今回の記事では
・子供にギターを習わせるメリット、デメリット
・ピアノと比べてどうなのか?
・本当に弾けるようになるのか?楽しく続けられるのか?
現役ギター講師である僕が、実際の子供(小中高校生)のレッスンの現場を踏まえて詳しく解説します(これからギターを始める初心者の方も参考になる情報多めです)。
※この記事は3分ほどで読み終わります
もくじ
子供の習い事としてのギターのすすめ【メリット&デメリット】
現在、僕のギターレッスンでは全生徒さんの40%が小1〜高3の子供さんです(約30組)。
お父さん、お母さんと一緒にペアレッスンを受ける方も多く、ギターレッスンは非常に人気の習い事になっています。
まずは、子供にギターを習わせるメリットとデメリットを見ていきましょう。
ギターを習うメリット
①カッコいい!
②楽器が安い
③どこでも演奏、練習ができる
④リズム感が身につきやすい
1つずつ詳しく解説します。
メリット① カッコいい!
まずは、カッコいい!これに尽きます。
体験レッスンで、僕が実際に目の前でギターを弾いて「どうだった?」と聞くと「カッコいい!やりたい!」と、100%の子供さんは答えます。
それだけ、ギターは
見た目のインパクトと音色で惹きつける楽器
なんですね。
僕自身が中学生の時にギターを弾き始めた理由も、まさにそこ。バンドでも前に出て飛び跳ねながら、ヘドバンしながら弾きまくるロックギタリストは憧れの存在でした。
最近は、20代30代の若いお母さんが同世代のバンドのファンで「あのバンドの◯◯くんみたいにカッコいいギタリストになって欲しい!」と子供さんにギターを勧めるケースもあります(笑)。
メリット② 楽器が安い
ピアノと比べて、ギターが始めやすい習い事になってきた最大の理由が
初心者用モデルなど安価で質の良いギターが非常に多く販売されるようになってきたから
ということが大きいですね。
僕がギターを始めた1980年代でさえ、ギターといえばまだ結構高価なものというイメージでした。安いモデルのアコギ、エレキでも4〜5万前後で種類も全然少なかったです。
ましてや、子供用の小さいギター、ミニギターなんてものは存在さえしてませんでした。
ところが、令和の現在ではどうでしょう。大人用のギターでも初心者用エントリーモデルで1〜2万円、1万円を切るものも販売されています。そして子供用のミニギターももちろんあります。
何より、種類が豊富で、安価でも質は高く、しっかりギターとして演奏できるものです。
教室で採用している人気のミニギター(アコギ)は12000円ほどで買えます(Amazon)。
カラーバリエーションも豊富で見ているだけで大人でもテンション上がりますよね。実際にサブギターとして持っている大人の方も沢山います(僕もその1人)。
メリット③ どこでも演奏、練習できる
これはもうギターという楽器の最大の特徴ですよね。
持ち運びが自由でどこでも、子供部屋でも、リビングでも、台所でも
公園でも、海でも、山でも、街中でも、ギターは演奏ができます。
家族みんながリビングに集まった時に、お子さんが弾けるようになった曲をギターで弾いて皆で歌う。楽しい光景ですよね。
ピアノは「ピアノがある ”その場所”」に行かないと演奏できないんですね。「弾かせてやるからこっち来い」って感じでしょうか(笑)。一人寂しく部屋で弾かなければいけません。
実際に、多くの子供さんのピアノが続かない理由の1つが「ピアノが置いてある場所でジッと座って弾くのが嫌だ」というのはホントに納得できますよね。
ギターだと、その心配は全くありません。
メリット④ リズム感が身につきやすい
ギター演奏は、ピアノと比べると、リズムをしっかり出すことが中心になります。ピアノはどちらかというと旋律的、メロディ演奏が中心ですよね。
なので「クラシックを演奏したい」ということなら間違いなくピアノをオススメしますが、ポップス&ロックを演奏したいなら圧倒的にギターに軍配が上がります。
リズム感が鍛えられると、歌も上手くなるし、ダンスも上手くなります。ドラムやベース、ピアノやサックスなど他の楽器を演奏したい場合もリズム感が良いと上達の早道になりますね。
後ほど詳しく書きますが、子供さんの場合、音楽知育の面でも大変有効です。
ギターを習うデメリット
①音がすぐには出ない
②ピアノのように1人で曲として完結しにくい
③最初は多少、指が痛いこともある
④完全な形のコードが押さえられるのは4年生から
さて、次にデメリットです。もちろんあります。順に見ていきましょう。
デメリット① 音がすぐには出ない
実際に子供のレッスンをしていると、最初はまずこれでつまづきます。
ギターは「左手で弦を押さえ、右手で弦をはじく」という二つの動作を同時に行って初めて音が出ます。これがピアノとの最大の違いであり、始めてすぐの段階での最大の難関なんですね。
ピアノは押さえるだけで音は出るので、音を出す、という楽しさをすぐに感じることができます。なので、子供としてはすぐに楽しめるので食いつきが良く(笑)レッスンなどの練習の滑り出しは順調にいきます。
ギターは、この最初の部分でなかなか音が出ないので、楽しくならずに、子供はすぐ飽きてしまうことが多いんですね。先日も「ピアノも同時に習っている子供さん」のギターレッスンをしていましたが、どうしてもピアノのようには面白くならなかったみたいで残念ながら退会されました。
まあ、でも、これも子供さんそれぞれの個性による部分も大きく、最初から音が出ないなりに一生懸命練習して、すぐに曲が弾けるようになる子もいます。
ほんの最初の3ヶ月を頑張れるかどうか、なんですよね(これは大人も一緒ですね)。
デメリット② ピアノのように1人で曲として完結しにくい
それでも、そんな風に最初の1〜3ヶ月を頑張ると、メロディやコード弾きで「最初の1曲」が弾けるようになってきます。
ギターの場合は、「ギターコード弾き+歌」で弾き語りスタイルが完成します。なので、コード弾きだけだと、ピアノでいう左手の伴奏のみを演奏しているということになります。
じゃあ、歌はまだ難しいから、メロディをギターで弾こうとすると、単音のメロディ弾きのみになってしまいます。つまり、ピアノのように「メロディ演奏(右手)+伴奏(左手)」と同時にすることは、かなり難しいんですね(ソロギターという高度なスタイルになります)。
ギターで何ができるのか?ギターとはどういう風に楽しむ楽器なのか?というのをギター教室の無料体験レッスンでは説明がありますので、親御さんも一緒にしっかり確認しましょう。
デメリット③ 最初は多少、指が痛いこともある
これもまあ、ピアノと比べてのデメリットといえばデメリットではありますね(大人の方もしかり)。
とはいえ、最初の3ヶ月です。
基本的に子供は「力の調整が上手くできない」ので、目一杯の力で左手で押弦してしまいます。すると、最初は指が痛いのは当たり前ですよね。だんだん慣れてくると適度に力も抜けて押さえられるようになります。
ギターは基本、指が痛くなるような力で押さえなくても弾ける楽器です。
先生がバリバリ弾いているのをみると、多少は我慢して弾き続ける子供がほとんどですね。
デメリット④ 完全な形のコードが押さえられるのは4年生から
これも①のすぐには音が出ない、と関係することですが、小学校低学年の子供さんはまだ手が小さいので、コードを押さえることが物理的に不可能なことが多いです。
大人が弾く普通のコードが厳しいので、1〜4弦のみを使った省略形のコードを弾いたりします(同じ理由でウクレレ/ギタレレを選ぶ場合もあります)。
とはいえ、僕の生徒さんの中では最年少では、小学3年生で普通の完全なコードフォームでバリバリと弾ける子もいます(ミニギター使用)。4年生〜5年生くらいから普通のコードフォームで弾き始める子が多いですね。
実際にこれまでレッスンをしてきた肌感覚として、小学1〜2年生だとそもそもギターを持って構えることも難しく、レッスンとして成立しないケースがほとんどです。
小学3年生くらいになったら始めさせてみようかな、というくらいの感覚を親御さんが持っておくと良いでしょう。
子供の音楽知育としてのギターのすすめ
実際にレッスンをしていると、思いもよらないことに子供が興味を示したり、自分で遊びを始めたりと、音楽知育教育としてのギターとのふれあいを考えさせられる場面がたくさんあります。
ギターという楽器の特徴、特性を踏まえ、音楽知育的に見てギターレッスンがどうオススメなのかを解説します。
ギターは自由だ!
ピアノ教室に行って、ピアノの鍵盤を弾かずに上ふたをバンバン叩いていたら先生に怒られるでしょう(笑)。
でも、ギターは違います。自由です。
弦を弾かずにボディをバンバン叩いてリズムを出したり、弦のチューニングを変えて摩訶不思議な音を出したり、何をしても良いのです。
下から手を回して弦を押さえるのがキツイから、ピアノのように上から押さえてしまう子供がいました。いいですね〜。同じ音さえ鳴ってればどんな弾き方をしてもいいのです。
芸術とは自由である、ということを感じるためにはギターは最も適した楽器です
エレキギターでは無限に色んな音が出せます。音楽というものに囚われず、なんか音が出て楽しい!という音楽の原体験ができます。
昔ピアノをやっていて楽譜通りに音符を読んで、先生に怒られながら弾くのが苦痛で苦痛で。。。ピアノが嫌いになっちゃいました。。。
ギターでは、そんな心配をする必要はありません。音符なんて読む必要はないのです。
ギターはパズルだ!
ギターはピアノよりも複雑なパズル的要素があります。
ピアニストの友達(もちろん音楽理論的な知識は完璧)はよく言います。
「ギターって全然わからない。よくそんなに何でも弾けるよね」
ギタリストでピアノが弾けるという人は多いです(僕もです)。ですが、ピアニストでギターも弾けるという人は少ないですね。
まだまだ楽器としては不完全な楽器なので、新しいことを見つけられる自由度があります。
ある子供さんのレッスンでドレミを弾いていたら「先生、ここでも同じドレミが弾けるよ」と自分で違うポジションを見つけてどんどん弾き始める子供がいました。非常に素晴らしいですよね。
また他の子供さんで、適当に押さえてオリジナルのコードを作ってしまう子もいます。「この音の響き、面白い!」という感じです。
ギターは6本の弦を色んなポジションで組み合わせる、というパズルなので、教えてないことでも自分から見つけて「なんかこれ楽しいかも!」という喜びを感じることができます。
型にハマらない新しいことが生まれやすい楽器である
ということですね。
なので頭の柔らかい子供さんは、どんどん「変なこと」を思いついて、それは全て感性を豊かにする音楽知育教育であり、素晴らしい芸術への道でもあります。
実際にどれくらい弾けるようになるのか?【小学生の場合】
どれくらいで曲を弾けるようになるのですか?
体験レッスンで親御さんから一番多い質問です。お答えします。
メロディだけなら3週間で弾ける
最初に、ギターでドレミファソラシドを弾く、ということをレッスンではやります。
ポジションと弾きかたを覚えたら、すぐに簡単に弾ける曲を弾いてみます。「カエルの歌」「キラキラ星」「ちょうちょ」などの童謡が多いですね。
カエルの歌なんかは、早い子だと1週間くらいで弾けるようになる子もいます。
メロディだけでも弾けるようになると「ギター楽しい!」と感じる子が多いですね。
コード弾きなら1〜2ヶ月で最初の1曲が弾ける
コードを覚えてジャカジャカとストロークをして弾く、となるとちょっと時間がかかります(これは大人の方も同じです)。
とはいえ、これも簡単な童謡、例えば「ロンドン橋」はコードを2つしか使いませんので、1ヶ月くらいですぐ弾けるようになります。
憧れのアーティストのあの曲が弾きたい!という場合でも、簡単な省略コードで、簡単なコード譜にすれば3ヶ月くらいで弾けるようになります。
そのように「何が簡単な曲なのか?」とか「どう弾けば簡単に弾けるようになるのか?」というのは、実際のギターレッスンでプロの講師が詳しく教えてくれます。なかなか家で親御さんが独学して、子供さんにギターを教えるというのは難しいので、最初の1年とかは基礎を習うのにギター教室に通うという選択はアリです。
まとめ
- 楽器も安く、見た目もカッコいいギターを始めるには今は非常に敷居が低い
- 最初の3ヶ月続けば1年半以上続いている生徒さんがほとんど
- ギターは自由度が高く、創造性に優れているので、子供の音楽知育としても非常に適した楽器
ということで今回は以上となります。
僕自身、毎日レッスンで子供に接してギターを教えてるので、レッスンの様子が眼に浮かぶような記事になったと思います。
ネットの拡大で情報が簡単に手に入るようになった現在では「情報を知っている」ということの価値は下がりつつあります。逆に、楽器を演奏する技術や絵や映像、芸術的なモノづくりなど、ある一定の期間修練を積んでしか得られない技術、というものの価値は下がることはなく、むしろ上がり続けていきます。
お子様の感受性を豊かにし、一緒に親御さんも楽しめる芸術としてのギター。これからの2020年に向けても非常にオススメの習い事です。
リビングでもどこでも、家族みんなで一緒に楽しく弾けちゃうギター!今すぐに始めましょう!
子供さんのギターレッスンの場合、上手くなる、上達することだけが目的ではありません。
・音楽知育教育として、ギターを通じて音楽の楽しさ、可能性を教える
・小学生でも弾けるように、簡単な楽譜やコードフォームでレッスンする
・ずっと楽しくギターを弾くことができるように指導する
これらをプロのギター講師に直接指導してもらうことで、子供さんでも楽しくギターを音楽を学ぶことができます。
シアミュージックスクールは全国に校舎がある大手の音楽教室ですので、講師のレベルも高く、お近くの教室に安心して通うことができます。
まずは、30分の無料体験レッスンに行って、実際のギターレッスンがどういうものか体験してみましょう♪